【 このページのテーマ 】→ カーオークションの特徴は品質検査(評価点)体制  研修を受けたプロの検査員が外装、内装、装備品、機関をA〜Eランク(とその明細)で評価  セリの実際(USS東京会場を例にPOS端末でのセリの様子)  この検査規格とデータベースはデファクトスタンダード  自動車公正取引協議会でメーター巻き戻しや修復歴車を確認できる  一般ユーザーは残念ながら直接参加できない

実は、この "品質検査(評価点)" こそがカーオークションのかなめなのです。
オークション市場がここまで成長し、中古車相場の主軸を形成するまでに育ってきた理由がこれ、優秀な "品質保証の規格" を開発できたことにあります。

オークションに出品されるすべての車には評価点が付けられています。評価点は自己申告ではありません。オークション会場でプロの検査員が1台1台車を検査してつけてゆきます。

検査員は、6ヶ月以上の研修を受けたプロです。外装、内装、装備品、機関など100以上の項目を採点しそれぞれに評価点をつけてゆきます。

評価点は1点〜10点に分かれています。さらに各点の内訳が評価基準の備考明細としてAランク〜Eランクに分かれ・・・という具合に詳細な内容になっています。

たとえば 評価点 4.5点であれば、このような評価になります。
「 評価点 4.5点 」
内外装とも軽微な補修をすることにより、5点に準ずるもの。
内装評価がBランク以上のもの。
板金塗装済で直し方の良好なもの。
となっています。その内訳評価である 「Bランク」の範囲はというと、
「Bランクの範囲」
1)5cm〜20cmの傷、ゴルフボール大の凹が少々あるもの
2)飯金塗装済で、少々波のあるもの
3)ガラス(ひび、ワイパー傷の大きなもの)割れのあるもの
となっています。

お分かりでしょうか?このシステムと検査員の目に対する信頼があったからこそ、オークション取引が可能になったのです。

では実際のセリはどのようにおこなわれるのでしょうか?
たとえば、USS東京会場でのセリに参加したとします。
まず目星をつけた車を一応見にいって見ましょう。広い敷地に沢山の車が並べられているので、折りたたみ自転車を持参します。
建物は三階建てで一階は事務所、三回は食堂(食事券をもらえます)になっています。
POS席は二階です。目的の車のセリが始まる前にPOS席に戻ってIDカードを差し込みます。このPOS端末をつかってセリに参加するのです。
1台あたり10秒から数十秒のペースで次々に競り落とされてゆきます。夜8時ころまで続きます。
このようにして中古車の相場が毎日決まってゆきます。

重要なのは、この検査規格と出品車のデータベースがデファクトスタンダード(企業主導の標準規格)となりつつあることです。

全出品車の記録がデータベースに蓄積されています。各都道府県の自動車公正取引協議会に持ち込めば、オークションデータベースとの照合で、自分が購入したクルマがメーター巻き戻しされていないか、修復歴車でないかを調べることができます(車持ち込み、手数料1500円)。

さて、各業種の一長一短を言うお約束でしたね。カーオークションはこのように業界で大きな役割を果たしています。これは花◎です。しかし、一般消費者から見ての最大の短所は、いうまでもなく "直接参加できないこと" ですよね。

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